どうしてわたしなんかがいいの

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やっと神の都合がついたのは翌週の金曜のことだった。監督が出張で金曜の午後から不在だったことと、翌土曜の早朝から沿岸部に暴風雨の予報が出たため、金曜の練習は早めに終わり、土曜の開始がいつもより遅れた。金曜の間は雨の可能性がないというので、神は金曜日を指定。

さんは気楽なもので、朝のランニングがてらそれを伝えた神に食べたいものあったら言ってね! などと楽しそうだ。さんの手作りがいいな、と言いたいのはやまやまなのだが、この調子だとさんがテンション上がって、じゃあご馳走作らなきゃね! と話が大きくなる可能性もあるし、彼女の手料理には未練があるが、今回は諦める。

さんがどういうつもりかはわからないが、神はとりあえずさん自身のことを知りたいと思っていた。彼女のプロフィール、それをとにかく知ること。わけても恋人がいるかどうか、夫は、好きな人は。もし男に興味がないなら早く言ってほしい。そればかりはどうしようもない。

てかさん、いい感じになったら冗談でも「付き合う?」とか言ってくれないかな。そしたら話が早いんだけど。もしほんの少しでもそういうつもりがあるなら、もう付き合ってしまいたい。他のことは全部後回し、まずは一歩を踏み出す!

そんな浮ついた目標を掲げた神は金曜、部活が終わった後に営業所に向かった。海南大附属では特別な理由がない限り登下校時の制服着用が校則で定められている。が、別に街中を学校の関係者がウロウロしているわけでもないので、神は学校から少し離れたところでブレザーを脱いでパーカーを羽織る。万が一にもさんに迷惑がかかるといけないので。

そして一旦駅前まで戻り、ケーキを買う。スタンダードな種類のケーキを3つ。さんは当然のように神を子供扱いしてくるが、神の中身はさんに恋するただの男なので、色々用意してくれているであろう彼女へのプレゼント代わりだ。

夜に営業所の前を通るのは初めてで、いつもさんと雑談している自販機が煌々と光っているのを見た瞬間、妙な緊張が襲ってきた。試合の時の、高揚感と一緒になった気持ちのいい緊張じゃない。期待と不安とさんに会える嬉しさがごちゃ混ぜになってしまい、コントロールを失いそうで怖い、その緊張だ。変なこと言ったりやったりしませんように。

さんひとりしかいないという営業所は小さく、倉庫という胴体にくっついた頭のようだ。そこだけがポッと明るく、しかし窓にはブラインドが降りていて中はあまりはっきり見えない。これなら中で何かあっても誰にも見られないな……などと考えてしまってはそれを必死に締め出し、神はドアの前に立つ。ドアもガラス製だがロールスクリーンが下りていて隙間から灯りが漏れるだけだ。

……こんばんわ」
「あ、いらっしゃい!」

おかしい……営業所を訪ねてきたはずなのにさん家に遊びに来たみたいだ……そういう言い方やめようよ……。神はカッと熱くなる頭を努めて空白に保ち、ペコッと頭を下げた。

「遅くなってすみません」
「本当にお家は大丈夫? まあご飯食べるだけだけど、18歳成人て言ってもなかなかね」
「友達と食事して遅くなることはあるので、気にしてないと思います」
「それに今さら神くんが部活に響くようなことをするわけもないしね」

さんは話が早い。そんなところも好きだ。一瞬意味の分からない、思わせぶりなことを言ってオレを試すようなことをしない。含みを持たせたり何かを匂わせたり、そういうもったいぶった言い方もしない。回りくどいことは苦手だから、ストレスがない。

と、気持ちが暖かくなっていた神はに促されてテーブルにつこうとしてついむせた。応接のためと思われる簡素なテーブルの上は食べ物でいっぱいになっていた。ほらやっぱりさんテンション上がっちゃってる……

「部活終わりだし、いっぱい食べるかなって思って。ちょっとやりすぎたかもしれない」
「こんなにたくさんすみません。あの、これ、僕からも」
「えっ、やだー気にしなくてよかったのに。バイトなんか出来ないんじゃないの」
「まあその分小遣いを使うこともないので」
「そうだけど~。まあいいや、私も今日は食べよう。ありがとね」

もしかしたら内心では「ケーキなんてカロリーの高いもの買ってきやがって、これだから子供は」と思っているかもしれない。けれどそれをちらりとも顔に出さずにスルーしてくれる。そういうところも好きだ。もしかして本当に食べてくれたら嫌じゃなかったのかも、と思えばいい。

それにしてもすごい量だ。内容はファストフードのチキン、カレー、回転寿司のテイクアウト、大盛りのカットフルーツ。ラインナップは実に子供っぽいが、そこは仕方ない。神も焼いただけのオーガニック野菜と全粒粉のパンを用意されても困る。

「で、これが亀田さんがくれたチョコ。思わず値段調べちゃった」
「こんな大きな箱、すごそうですね」
「すごかった。1万5千円」
「いちまっ……え!?」
「亀田さんこのあたりの古い地主だったみたい。息子さんもピカピカの高級車乗ってた」

ぎっくりおじいちゃんはとてもそんな風に見えなかった。神は重箱のようなチョコレートの箱をしげしげと眺める。そんな大袈裟なことだったかな、あれ……

「でもたくさんあるから今日全部食べなくてもいいからね。あとで食べて、残ったら山分けしよう」
「はい。じゃあ遠慮なく頂きます」
「どうぞどうぞ。神くんはいいよね、そういうところ素直で」

自分のために用意してくれたものなのだから、と神は遠慮なく手を付ける。喉もカラカラ、表の自販で買ったらしいペット緑茶を流し込む。とはいえ、食事より核心に迫る話がしたいのが本音なので、神はチキンに付いていたウェットシートで手を拭きながら、言ってみた。

「オレ、そんな子供っぽいですかね」

子供扱いしてほしくないとか、もう子供じゃないとか、そんな言い方はしたくなかった。さんがどう思っているかの方が気になるのだし、なのでわざと普段「僕」と言っていたのを「オレ」にもしてみた。予想通り、さんはふるふると首を振る。

「その逆。神くんはどっちかって言ったら大人っぽい」
「そうかな……
「古い話だけど、私が高校生の頃、通りすがりの人にきちんと挨拶できる人なんかいなかった」

さんもペット緑茶を傾けつつ、いくらの軍艦を口に放り込む。遠慮なくていい感じ。

「でもたぶん、みんな挨拶が出来ないんじゃなくて、ただおはようとかこんにちはとか言うくらいのことに素直になれない時期なだけなんだと思うのね。大人になってみると、挨拶なんて口から音を出すだけのコミュニケーションなんだから難しいことなんかないのに、なんであんなに嫌だったんだろうって思えたし、そういう意味で神くんは素直だなって」

神の場合は部活のおかげで挨拶というものに慣れている、という理由もあるが、さんの言うことはわかるな、と思った。神にも人並みに反抗期というか、全てのものを否定したくなる時期があった。何ひとつ心から満足出来なくて、空が晴れてもムカついて曇っても雨が降ってもムカつくような、自分でも理不尽に感じるほどの苛立ちは覚えがある。

ただ幸いかな高校に入学して部活中心の生活になったことで、いつの間にかそういうモヤモヤしたものをどこかに置いてきてしまった。今でも大人の世界に対する憤りや嫌悪感はなくなっていないし、さんのことでは余計に「世の風潮」というものに辟易しているが、以前ほどムカつくことがない。

もういいのだ。大人になるのだから、自分で選択して生きていけばいい。

……さんが高校生の頃って、そんな昔ですか?」
「神くんが小学生の頃の話だよ」
「幅が広い」

さんはうまく濁したつもりなんだろうが、生憎小学校は6年もある。神はつい笑った。

「んもー、はいはい、今28です! 私の方がよっぽどガキっぽいよね……
「えっ、どの辺がですか」
「なんかこう、調子に乗りやすいというか、落ち着いてないっていうか」

さんは28歳、10歳の差。40代でも30代でもなかった。一応相槌を打ちながらも神は上の空だ。もしや営業所長なんていう職にあるさんはもっとずっと年上で、10代の神など幼すぎて無理なのではという不安がずっとあった。親子でも大丈夫なくらい年の差があったらどうしようと案じてきた。

それに比べたら20代後半など!

2桁の差というとずいぶんな開きに聞こえてしまうかもしれないが、まだまだ当分は「若者同士」なのではと思った。というか改めて間近に見るさんは魅力的で、彼女が一体何歳だろうが関係ないなと思った。今日はシャツにニットを重ねているが、肩や胸の曲線が可愛らしい。

それに、上の空の相槌にも気付かずにチキンに齧りついているさんは、神を男として全く意識していないのが丸出しで、その分、ごく自然体で本物のさん自身なのではと思えた。

チキンの油がついた指を舐めている唇がてらてらと光り、神の背中に痺れが走る。

……きっと、同学年の男子全員に聞いてみたら、28歳の女性なんか嫌だって言う人の方が多いのかもしれない。あと2年で30、ババアじゃん! て言う人は多いかもしれない。

でもオレはその28歳のさんに欲情してる。あの光る唇に吸い付きたくてたまらない。

もし今ここで立ち上がり、突然さんに抱きついてキスしたらどうなるんだろう。そのまま床に倒れ込んで、あのシャツを脱がしたらどうなるんだろう。

妄想が飛躍し始めた神は、慌てて寿司についていたガリを口に詰め込む。ガリはあまり得意ではないが、逆に頭は落ち着いてきた。何考えてんだ、それは犯罪だ。どうなるんだろう、って大変な事件になってオレの人生が明日終わるだけじゃないか。さんにも会えなくなる。何をバカなことを。

「強豪校のキャプテンてみんなそんなに落ち着いてるもんなの?」
……そうでもないですよ。うちも来年はやんちゃ坊主になりそうです」
「来年かあ。そういう全国大会出るような子って、将来プロになったりするの?」
「もちろんそういう方もいます。日本代表とか」
「そっ……かあ! そうだよね、ああいう人たちもみんな神くんみたいだったんだ」

神がペラペラと聞いてもいないことを喋るタイプではないので、半分上の空でもさんは全く気付いていないらしい。あるいは部活終わりで空腹の神は喋るより食べたいのではと思っているかもしれない。なので神はよく彼女の話を聞きながら、たまに口を挟み、知りたい情報を引き出そうと努めた。

飾り気のない食事をしながら、神はさんの「どうでもいいこと」を知っていく。

東京で生まれ育ったこと、母親と祖父母と暮らしていたこと、高卒で地味な会社に就職したはずだったのに26歳で所長になってしまったこと、でもそれは名ばかりで人手不足だから、最初は知らない土地は怖いと思ってた、だけど今はこの町が好き、自分を変えてくれるような気がしてるから。

「隣の県だけど、微妙に遠いですよね、東京」
「そうなんだよね。祖父母はちょっと心配してたんだけど」

チャンスだ。神はプラスチックのフォークにパイナップルを突き刺しながら言った。

「彼氏とか反対しなかったんですか?」

年齢はわかった。問題ない。次は恋愛関係だ。

「それ聞いちゃう~?」
「えっ、地雷でしたか、すみません……
「いや地雷ってこともないけど、まあひとまず独り身。彼氏もなし」
「そうなんですか、とてもそ」
「神くんはどうなのー! バスケ部のキャプテンでそんな可愛い顔してて、いないわけないよね!」

とてもそんな風に見えません、素敵な人なのに……という方向に持っていこうとした神は思わぬ返しを食らって止まった。いや、の反応は同然だった。神の読みが浅かっただけ。しかも人に言わせたからには自分も言わないわけにはいくまい。まあそこは簡単なのでいいですけど。

「いや、いないです」
「嘘。隠さなくても大丈夫だよ~」
「いや嘘でなくて。忙しいし、ていうか彼女がいたら今日来てません」

それがどういう意味か、わかりますよね。と心をときめかせていた神だったのだが、

「あははそうだよね~! んん、でもそれは先に確かめておかなきゃダメだったね、ごめん」
「もしオレに付き合ってる人がいたらどうしたんですか」
「一緒においでよって誘ったんじゃないかな。チョコいっぱいあるし」

一転、神の心は強い酢をかけられたのかと思うほどジリジリと焼けるような痛みを感じた。まったく意識されていないことはわかっていたし、万が一にもさんが神を「対象」として捉えているとは思わなかったけれど、それでも「非対象」であることが明確な言葉になってぶつけられると、心は思った以上にダメージを食らった。

顔は努めてにこやかに、急に自分のことばかり話し出すのも不自然なのでさんが話すのに任せ、なぜだかあまり旨さを感じない食べ物たちを腹に詰め込み、神は幸せで苦しいこの夜を過ごした。

食事が終わってチョコレートが出てきて、さんが買っておいた近所のカフェのラテを出してくれた時も、口の中には苦味ばかりが強く感じて、1万5千円もするというギフトボックスのチョコレートはちっともおいしくなかった。

「今日は本当にありがとう。誰かとお喋りしながら食事するの久しぶりで楽しかった」

そう言って送り出してくれたさんと、これ以上どうやって距離を縮めたらいいと言うんだ。

オレもさんとご飯食べるの楽しかったんで、また一緒に食べませんか。そう言えばいいだけなのではと思う一方で、亀田さんのチョコレートのような理由もないのにふたりきりで食事、という誘いがさんを我に返らせるのではという怖さもあった。

残ったチョコレートはさんが分け、おそらくそれと想定して買っておいた様子のプラスチックケースに詰めてくれた。それを片手に神は自転車に跨る。もう食事もチョコレートも終わってしまった。これ以上ここにいられる理由がない。

もう遅いから気をつけて帰ってね、とさんは言う。さん本当に天然だ。遅くなって襲われる危険があるのはオレじゃなくてあなたでしょ。送っていきたいけど絶対ダメっていうだろうし、さんも自転車だったはずだから、帰るよ。帰りたくないけど、帰るよ。

為す術もなく神はその場を去り、自転車で走り、自宅に到着し、自分の部屋に戻った。その場でドアを背にずるずると床に座り込む。腹は満たされているが、心には大きな穴が空いてしまった。

さんのことは少しわかった。名前はもちろん、年齢、出身地、どんな会社で、どういう経緯でひとり所長なんかやっているのか。好きな寿司ネタはいくらとエビとサーモン。最近配信のドラマにハマってる。そんなことはたっぷり聞かせてもらった。

でも、だから何なの? それが何?

今夜のことは神のさんへの片思いストーリーの中では最高のビッグイベントだった。だがそれだけで、明日からはランニングの途中で挨拶をするだけの関係に戻る。またどこかのおじいちゃんが目の前でぎっくりいって、お礼に高級なお菓子をくれでもしない限り、神には手がない。

しかも予選は目の前。さんとどう親しくなるかに悩んでいる時間がない。

冬の大会が終わり、時間が出来たら今度は毎朝走る理由がなくなる。引退したらバスケットをやめるわけではないのだから、トレーニングは続けてもおかしくない。というか変わらずに継続するつもりでいる。でも、毎朝あの時間に走る理由はなくなる。それよりも来年から始まる新生活の準備をしなければならなくなる。教習所、引っ越しの準備、同じ学び舎で過ごした友人たちとも時間を取りたい。

改めてさんという人との距離を感じた神は、頭を抱えてうずくまった。

オレの「恋」はなんでこんなにつらいものなんだろう……

神が悲観した通り、さんとはこれまで以上に親しくなれるわけもなく、彼女への気持ちを押し込めながら予選を勝ち抜き、本戦でも必死に戦い、しかし日本一になることなく神の高校バスケット3年間は幕を閉じた。年末には引退し、今度は慌ただしく教習所に通い始めた。

案の定母親は、もう部活ないんだから早朝から走らなくてもいいじゃないのと怪訝そうな顔をした。どうしても早朝に走りたい上手い言い訳が思いつかない神は、徐々に朝のランニングを欠くようになっていった。あるいは自由登校に入ってからも想像以上に時間がなくて、自主練の時間を確保するので精一杯だった。

2月、バレンタインには同級生からチョコレートをたくさんもらった。さんとはもう何日も会っていなかった。迫る旅立ちの日とさんとの別れ、受け入れがたい現実に神はひとり部屋でため息ばかりついていた。ほとんど会わなくなってしまってからも、脳裏に浮かぶさんに恋い焦がれる心はそのままだった。

なので3月、もう後がない神は意を決してに会いに行った。

どんな邪魔が入るかわからないので、仕事が終わる頃を狙って自転車で乗り付け、彼女を待った。さんはいつもと変わらない様子で営業所を出てくると、久しぶり、と明るい声で迎えてくれた。しばらく会わなかったことなど、まるで気にしていないように見えた。

「そっか卒業だよね、何も用意してなくてごめん。でもおめでとう」
「そんなこと。あの、お世話になりました」
「んも~律儀だなあ。ほんとに高校生?」

さんはなんの感慨もない様子だ。いつもの笑顔、いつもの声。

……オレのことを応援してくれる人はいっぱいいました。でもそういう人のほとんどが、オレに勝つことだけを期待してました。だけど、さんには本当の意味で、応援をもらったと思ってます。前に……頂いたギフトカードで、これ、買いました」

神はポケットに差し込んでいたステンレスボトルを引っ張り出してに見せる。出来るだけ毎日近くに置いておけるものがいい。そう考えて保温保冷のボトルを選んだ。黒のボディには、白いツバメのマークがある。ツバメ、チョコレート、蜘蛛の巣。数少ないとの繋がりを表せるアイコンだ。

「懐かしいね、ツバメの巣。ちゃんと雛、巣立ったよ」
「今ちょっと、巣立ちたくない、です」

それは生まれ育った町を離れることや、ずっと一緒に暮らしてきた両親と距離が出来ることよりも、さんとの別れを惜しむ気持ちからだった。何日も考えて用意してきた言葉がうまく出てこない。神は両手を差し出し、さんはそれを両手で受け取ってくれた。

……寂しくなるよ。元気でね」
さん、オレ……
「まあ、私もいつどうなるかわからないもんね~! 結婚しちゃうかもしれないし! 相手いないけど!」

もう今しかない、今好きと言わなければ二度とチャンスはない。さんと手を繋いだ神はそう覚悟をして口を開いたのだが、さんはそれを遮った。ひときわ大きな声だった。

……本当に、ありがとうござい、ました。毎朝、楽しかった、です」
「私も。お互い頑張ろうね。遠くにいても神くんのこと応援してるよ」
「はい」

さんはオレが何を言おうとしたのか、気付いたのかもしれない。だから遮った。さんはオレの告白を聞きたくなかったらしい。もう二度と会えない前提の挨拶をしている。ダメなんだな。オレじゃ、ダメだったんだな。

神はと両手を繋いだまま、にっこりと笑顔を作った。

さようならさん。オレ、あなたが大好きでした。

あなたのことを、愛していました。

いいえ、愛しています。今でも。