白蝋館の殺人

11

悲鳴に驚いたロビーは一瞬顔を見合わせたのち、全員で立ち上がって走り出した。何があったのかわからないが、もしまた危険な状態になっているならバラバラにならない方がいいと誰もが思った。

速度の問題で先頭を行ったのは牧とと柴さんと島さん。大階段を一気に駆け上がり、客室前の廊下にたどり着くとそこには真っ青な顔をした春林の妻の方が動揺してひとりで体を揺すっていた。

「どうしたんですか!?」
「助けて! 大変なの、大変なのよ、主人が!」
「だから何がですか! そのご主人は?」
「だから主人が大変なのよ! 早く助けて!」
「ちょっと落ち着いて、ご主人はどこにいるんですか」
「外に出ようとして雪の中に落っこちちゃったのよ!」

一瞬の沈黙ののち、廊下には「ええ~っ」という心底呆れた声が響き渡った。

本人の言い分からすると常識人であるらしい春林氏は、深夜の2時半に「社会人の責任を果たす」ため、窓から脱出を試みた。降り積もった雪はかなりの高さになっていたし、春林夫婦が宿泊していた客室はもっとも玄関ポーチに近く、雪を踏み台にしてひとっ飛びすれば玄関先に降りられると思ったらしい。

牧と柴さんが慌てて202号室に入ると、白蝋館の「表側」に面した窓は開けっ放しで雪が吹き込んでいた。窓から下を覗くと尻と足が見えていて、上半身が埋まってしまった春林氏は尻をもぞもぞと動かしていた。牧と柴さんは揃って「嘘だろ……」と肩を落とすしかなかった。

「ここ2日くらいで一気に降り積もっただけの雪ですよ、埋まるに決まってるでしょ!?」
「私がやったわけじゃないわよ、夫が大丈夫だって言うから見てただけだもの!」
「だからなんで止めなかったのよ、こんなバカなこと!」
「止めて聞くような人じゃないのよ! 私は悪くないの!」
「だとしてもみんなに迷惑かけてるでしょう! 自己弁護してる場合!?」

メイさんが我慢の限界を超えて春林夫人と言い合いをしている間に救出計画が立てられ、ひとまず足場を作った方がいいんじゃないかという話になった。春林氏を助けるために雪の上に降りたら一緒に埋まってしまう。なので国竹さんと松波さんがダッシュで固いダンボールとロープをかき集めてきた。

「これを投げて足場にしよう。だから下に降りるのは体重の軽い隼人と島くん、頼めないか」

現在白蝋館に滞在している男性のうち、1番身長が高いのは牧で、筋力もあるがその分体重もある。なので雪の上に降りて春林氏を掘り出すのは細身の松波さんと島さんが確かに適役だ。そうして雪の中から上半身を引き起こせたら、ロープで登ってきてもらう……のだが、それこそ忍者ではないので2階から引っ張り上げねばならない。体の大きな牧と筋肉系の柴さんの出番だ。敬さんも引っ張り上げる方に加わらないと間に合いそうにもない。

「春林さん、ロープに捕まっていられますかね」
「隼人、大きなカラビナないか? ベルトに引っ掛けて一緒に引き上げよう」
「これ……風呂の準備がいりますね」

窓から吹き込む風に牧は身をすくめた。別に春林氏が凍えて風邪を引いても構わないが、下に降りる島さんと松波さんのためにも浴槽に温かい湯を張った方がいいのでは。それを少し離れたところで聞いていたが準備すると手を挙げた。

「国竹さんたちに任せた方がいいんじゃないのか」
「だからそのお手伝い。たぶん役に立たないと思うから菊島さんも連れて行くね」
「ちょっとでも変だなと思ったら迷わずに走れよ。大きな声出して全力疾走」
「わかった。すぐ戻るからね」

牧は素早くを抱き締めるとすぐに解放し、救助チームのところに戻った。ので、はダッシュでダンボールを運んできて息が上がっている国竹さんに声をかけた。お風呂用意しませんか。

どうにも話の通じない春林夫人に説教を続けていたメイさん、そのメイさんと春林夫人との間に入っていた志緒さん、オロオロしているだけで何もしていない菊島さんもに促されて部屋を出た。共同浴場は2階の反対側の棟にあるので、まずはそちらを準備する。

「てか引っ張り上げるの、敬と柴くんと紳一くんだけで足りる? 梅さん起こしてきた方がよくない?」
「ど、どうでしょうか、彼が手伝ってくれるとは……
「あのねえ、あなた上司でしょう? スタッフがホテル内のトラブルを無視って通るわけないじゃない!」
「で、でも勤務時間外だと言われてしまったらそこまでですしシェフは彼しか」

梅野さんを呼んでこいというメイさんと菊島さんのやりとりを背に、は志緒さんと一緒に国竹さんの背中を撫でていた。梅野さんは自分は調理以外のことしかしないという主張を曲げないが、この国竹さんは昨日からずっと駆けずり回っている。服も未だにスタッフ用のパンツスーツで、まとめ髪がほつれてきている。

「国竹さん、指示だけしてくれれば私たちがやりますから」
「ご、ごめんね、さすがに長丁場で私も疲れてきてて」
「当然です。こんな時に客もスタッフも関係ないですよ」

それにこうなってはおそらく敬さんは予約の段階での利用料以上の請求はしないだろう。雪で行動不能になった日を境に客は客ではなくなる。は後ろをちらりと振り返り、いたずらっぽい声で囁いた。3人の後ろではまだ菊島さんがメイさんに小言を言われている。

「菊島さんがあれだし、みんな国竹さんに頼っちゃってた。ごめんなさい」
「そんな、とんでもない。私だって松波さんに頼ってばかりで……
……あの~国竹さんて松波さんのこと好きだったりするんですか?」

志緒さんの言葉には目を輝かせて国竹さんに飛びついた。そうそう、私もそれ思ってたんです!

「えっ、あの、ええと、その」
「こんな大変な時だけど、そういう人が近くにいると心強いですよね」
「ですよねですよね」
「そ、それはちゃんと紳一くんでしょう~」

国竹さんの表情は「はい松波さんが好きです」と雄弁に物語っていたが、と志緒さんに両側から突っつかれつつも、はっきり言葉にする気はないらしい。

「志緒さんは? お付き合いしてる人とかいるんですか?」
「いたらひとりで静養なんか来ないよ~!」
「いたらふたりで静養にくればいいじゃないですか~! お待ちしております~!」
「やだ~私もお待ちしてるんです~!」

厄介事が重なるので、こんな下らない話でも気持ちが安らぐ。3人はキャッキャと楽しげな声を上げながら共同浴場に入った。通常、利用客が使用した後はその都度清掃して次の利用に備えるのだが、さっきは緊急事態だったので下谷が使用した後は放置のままだった。

と牧も借りた浴室は一般家庭にあるユニットバスと同様の作りで、浴場にはそれがふたつ、トイレがふたつある。もし今後下谷がトイレを使いたくなったらここを使うしかない。

メイさんの説教から逃れたかったのか、菊島さんが清掃の方を買って出たので女子4人でリネン類の準備や浴場内の暖房を確認して回る。だが、2階の浴場の浴室はふたつ。入浴の必要がありそうなのは3人。

「どうします?」
「だったら松波さんはスタッフ用のを使った方がいいかな。私行ってくるね」
「あ待って国竹さん、ひとりで行動しない方がいいと思います」

松波さんのことと思えば疲れたとも言っていられない様子の国竹さんを引き止めたは洗面台に寄りかかっていたメイさんをちらりと見た。自分が行ってあげたいが、これ以上牧と離れる気はなかった。せめて同じ階にいて声の届く範囲にいるべきだと思った。

なのでは志緒さんとふたりで菊島さんが清掃を終えるのを待つ。

下谷が引っ張り出されて以来放置だった浴場は冷える。志緒さんはまたジャンパーをかき合わせて首をすくめた。時間は深夜だし、館内の暖房があるからいいようなものの、この分では東丸の遺体は凍結してしまうかもしれない。

「やっぱり深夜だと寒さが違うね。風邪ひきやすいから気をつけないとな……
「明日っていうか今日だけど、夜が明けて晴れたらここから出られるんでしょうか」
「春林さんたちの部屋から外見えた? 玄関埋もれてたら救助が来るまで無理だよね……
「覗き込んでないけど遠目には真っ白でした。……206号室と同じ」

雪が垂れる様から白蝋館という名のホテルだが、それ自体が雪に埋まりつつある。あと数時間で太陽がさんさんと照りつけたとしても、それがお湯をかけたように溶けるとは思えない。だが一応館内で人が大怪我をしていて救命の余地がない、ということは通報してあるのだし、溶けるのを待ってて下さいとは言われないのではないか。

菊島さんが浴室内で備品をひっくり返したらしく、大きな音が響いてくる。

「志緒さんは、怖くないですか? その、殺人事件なんて、実感もないけど」
「今のところ。みんなと一緒にいるしね」
「私も怖いとかはないんですけど、逆にそれがちょっと怖くて」
「どういうこと?」

ジャケットのポケットに手を入れたまま自分の体を抱き締めたは声を潜めた。

「何度か絡まれたりして、東丸さんのことは正直すごく気持ち悪かったんです。顔を近づけられた時は怖かったし、すごく嫌だった。だからなのか、あんなふうになっちゃった東丸さんを可哀想とか、あんまり思えないんです。犯人に対しても怒りとかあんまり感じないんです。そういうのってどうなんだろう、ちょっと怖いなって。お友達のことなのにごめんなさい」

志緒さんはすぐに首を振っての肩を撫でた。

「気にしないで。そういうのよく分からなくなっちゃう気持ち、わかる」
「怖いって言うと心配するから牧には言えなくて」
「紳一くんだってまだ高校生だもん。あなたたちは頑張ってるよ。春林さんなんかよりずっと大人」
「そっ、それは、まあ、あれに比べれば」

はつい吹き出した。確かに深夜に雪に埋まって出られない常識人よりはマシなはずだ。志緒さんも顔の前で手をこすり合わせながら楽しそうに笑った。

「そりゃ頭を殴られて血の海とか、そういうのはゾッとするけど、たぶん朝が来ればお腹も減るし」
「あーっ、せっかく忘れてたのに! 実はさっきからお腹減ってて」
「あはは、ちゃんがそれなら紳一くんなんかペコペコなんじゃない?」
「こんな時間だけど、ずっと起きてるし動いてるし、ちょっとくらい食べても平気ですよねっ?」

それ以前に10代の代謝である。覚醒していればそれだけ消耗もしよう。志緒さんも苦笑いで実は自分も小腹が減ってきたと言って腹をさすっていた。

「どんなにつらくてもいつかお腹は減るし、食べられる人は強いんだよ」

清掃が終わったと顔を出した菊島さんの声と志緒さんの笑顔にの腹はキュルキュルと鳴り出した。私の体は生きてる。そんな実感が心の奥にじわりと広がっていく。牧も生きてる。ふたりでこの雪に閉ざされた館を出てちゃんと家に帰ろう。そのためにも食べて元気になろう。そう思った。

風呂の準備を終えたたちが202号室に戻ると、男性陣が掛け声をかけながら春林氏を引っ張り上げているところだった。もう手すりに脇が引っかかっているのだが、自力で体を持ち上げることも出来ないばかりか、引き上げられるのを痛いと喚いている。

「わかってたことですけど、こっちは大変ですね……

志緒さんの真顔にメイさんもため息だ。というか手すりを登れない春林氏を押し上げている松波さんと島さんは雪だらけ、懸命に引っ張り上げている牧と柴さんは汗だくだ。風呂が必要な人が増えたかもしれない。また国竹さんがすっ飛んでいく。今度は志緒さんがお供だ。

「紳一くん着替えあるの?」
「合宿のつもりだったのでそれなりには。むしろあれ敬さんの服で……
「いいわよあんなの、どうせ金持ってんだから」

吐き出すように言うメイさんにはまた笑った。誰かと喋って笑うこと、食べること、太陽の下をただ歩くこと、それだけのことが日常の自分のバランスを整えてくれていただなんて考えたことがなかった。一部を除き大人たちは平気そうな顔をしているけど、牧がいなかったらどうなっていただろう。もっと怖かったに違いない。

やっぱり私の毎日の中には牧っていう人がいないとダメなのかもしれない――

春林氏は痛い痛いと喚きながらも30分近くかかってようやく生還した。だが手すりを乗り越え床に転がり落ちても痛いと騒ぎ、服をまくりあげて腹が傷だらけじゃないかと文句を言いだした。そして当然のように懸命に救助してくれた牧たちには礼の一言もない。

だがそれに怒って喧嘩しようという気力は誰ひとりとして残っていなかった。島さんと松波さんは雪まみれでびしょ濡れ、牧と柴さんと敬さんは汗だくで雪まみれ、冷えて濡れた男性陣はとにかく急いで風呂送りになった。汗だくの方はそれぞれの部屋のシャワーだがないよりはマシだ。

さしもの牧も疲れた上に春林氏の態度に疲弊しきってしまい、ずいぶん長いことシャワーを浴びていた。その間は国竹さんに指示してもらいながら梅野さんに無断で厨房を使って温かい軽食を作った。野菜のスープとおにぎりというとりとめのない食事だったが、は匂いだけで涎が出てきそうだった。ドレスにシャンパンも素敵な世界だったけど、ご飯の匂いは癒やされる。

最初や志緒さんはまたみんなでロビーに集まって食事を取るものだと考えていたのだが、生あくびが多くなってきたメイさんがそれぞれの部屋にしようと言い出した。

「いいんですか、みんなで一緒にいなくて」
「みんな疲れ切ってるもの。志緒はなんなら私の部屋にいらっしゃいな」
……ドアを開けなければ、いいんですもんね」

特には未だ東丸の遺体が引っかかっている現場の隣の部屋だし、色々な意味で恐怖感はつきまとう。それでも確かにメイさんの言う通り疲れ切っていた。牧も休ませてあげたい。

それを話すと菊島さんや国竹さんも反対しなかった。下谷に仮眠室を明け渡してしまった菊島さんは松波さんの部屋に、松波さんは国竹さんと一緒の部屋で休むことになったらしい。とメイさんと志緒さんのニヤニヤが止まらない。

結局志緒さんはメイさんと一緒に敬さんの部屋へ、あとは全員それぞれの部屋に戻った。温かいものを食べて体を休めねば風邪を引いてしまいそうだ。が食事を手に戻ると、牧は頭から湯気を立てて窓辺に佇んでいた。

「せっかく温まったのに、冷えちゃうよ」
「ちょっとやりすぎた。暑い」
「暑いの!? スープすごく熱いんだけど大丈夫かな」
「スープ!?」

の言葉に牧は身を翻し、急いでソファに腰を下ろした。

「みんなで作ってきた。志緒さんも風邪引きやすいって言ってたし、熱いの食べた方がいいと思って」
「ありがとう、実はずっと腹減ってたんだけど、それどころじゃなかったから」
「お腹減るよねこんな時間にあんな重いもの引っ張り上げたら」
「どうやったらあんな迷惑な人間になれるのか、不思議でしょうがない」

言いながらふたりはおにぎりにかじりついた。は2個、牧は4個だ。体を温めすぎて暑いと言っていた牧だが、スープも勢いよく流し込む。味わって食事を楽しむ、なんていう余裕もなく、とにかく詰め込む。想像以上に腹が減っていたのだと改めて感じる。

「正直足りないけど、寝れば忘れると思うし、たぶん横になったら即落ちだと思う」

10分とかからずに全部平らげてしまったふたりはソファに並んで寄り添っていた。足りないとは言うものの、腹の中が温まったので緊張が緩んできた。鍵のかかった部屋の中にふたりきりというのも安心出来る。しかもやっと揃ってジャージ姿だ。日常を思い出させてくれる。

……さっき、外見てたの?」
「カーテンが少し開いてたから閉めようとしたんだけど……あの血の海がもう見えなくなってて」

牧の手が少し浮いたので、はそれを取って両手で包み込む。暖かかった。

「そしたら昨日……一昨日からのこと、途端に現実感がなくなってきて」
「色んなことが、薄っぺらに感じるよね」
「すぐ隣の部屋が事件現場なのに、来週あたりにはほとんど忘れてるのかもって思ったんだよな」

雪の上に滴り落ちた鮮烈な血の赤はもう真っ白な雪に覆われて消えてしまった。強い風と止めどなく降り続ける雪が何もかもを覆い尽くし、その記憶すらも飲み込んでしまうような気がして。白蝋館で起こったこと過ごした時間、それらはいつか鮮明な夢と同じくらい希薄な存在になっていくのでは――

空腹が満たされ、風の音しか聞こえない深夜にふたりきり、お互いの存在しか自分が現実の世界に生きているのだと実感できる拠り所がない。また少しだけ足元が不安定に浮いているような錯覚を起こす。

……帰れるよね、ちゃんと」
……ああ、大丈夫だよ」
「牧がそう言うと、本当になる気がするよ」

そんなことわからないと突っぱねるでなく、嘘でも大丈夫だよと言ってくれた牧の気持ちが嬉しくて、は顔を上げてゆったりと微笑んだ。大丈夫、ちゃんと帰れる。日常は戻ってくる。

ひたと見つめ合ってしまったふたりだったが、そういえば悲鳴が聞こえる直前までキスしようとしてたんだっけ……と思い出して強烈な照れに襲われた。今もぴったり寄り添って手を繋ぎ、見つめ合っている。これは、さっきの続きを再開したほうがいいのだろうか……

昨日はしりとりをしているうちに眠ってしまったけれど、やけにベッドが気になる。そしてがつい目を背けて俯くと、そこにはTシャツに薄っすらと盛り上がる牧の胸筋。ちょっと待って敬さんたちが胸板胸板っていうからなんか意識しちゃうじゃん……

が、はそこではたと止まった。Tシャツ?

「温かいスープは飲んだけど、寒くないの」
「そういえば……ちょっと冷えてきたかな」
「ちゃんと着て暖かくしないと、風邪引いちゃうよ」

マネージャーたるもの選手の健康管理については見逃せない。勢いに流されてしまいそうになっていたけれど、それはちゃんと防寒をしてから。はジャージのトップスを取ってこようとして腰を浮かせた。だが、そのの腕を牧の手が掴んだ。

「えっ?」
「風邪…………引くよな?」

牧はの腕を掴んだまま空を見つめていた。試合に挑むときのような、真剣な眼差しだった。

「外は雪で、寒くて、冷えたら、風邪、引くよな?」
「それは……そうだろね」
「だから暖かく、するよな」
……うん」

牧が何を言いたいのかわからなくて、はまた腰を下ろして彼の手を取った。牧はしばし空を見つめたままだったが、やがての方に向き直ると、肩を落として疲労の滲む表情になった。

、犯人、わかったかもしれない」