在り方の問題、または指先の恋

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が越野母に伝え聞いたところによると、今年陵南はかなりの確率で予選を突破してインターハイに行かれると踏んでいたのだそうな。本年度のキャプテンは県内で一番身長が高かったし、天才はいるし、監督が時間をかけて育ててきた選手は層が厚く、ライバルになりそうな相手は昨年の予選通過2校だけだと思っていた。

ところが昨年予選通過どころか昨年1回戦負けの高校に負けてしまった。

「まあ、それでなくてもバスケ部は予算多いって話だし、遠征費用とかでカンパ求められたこともないし、だけどインターハイ行かれなかったから予算削るぞ! って方向にならないのは実に立派だよな。ていうかあの試合見てたらそういう気持ちになんかならないよな」

8月初旬、すっかり顔の腫れが引いた越野父はそう言いながら腕組みでうんうんと頷いている。彼はデリカシーもないし息子の気持ちを逆なでするのが得意だが、それでも息子の試合は出来るだけ見に行く。越野と仙道が可愛い板さんたちも都合が付けば見に行っているらしい。

「でもおじさんもう余計なこと言わないでね。せっかくおばさんが取りなしてくれたんだから」
までオレを厄介者みたいに言うのか……
「私座敷ひとつのためだけに休むのとか嫌だもん」

は袖をたすきがけにすると、肩をすくめた。

インターハイに行くのだとばかり思っていたバスケット部は、この年の開催地である広島への遠征費用がごっそり浮いてしまった。発生したのは押さえておいた宿のキャンセル料くらいなもので、それも1ヶ月以上開きがあったので深刻な金額ではなかった。

そして越野父の言うように、既に1校が勝ち抜けている状態で行われたインターハイ予選の最終試合、陵南と昨年1回戦負けだった県立高校との試合は、本当にどちらが勝ってもおかしくない試合で、選手たちが本当に頑張ったんだということは誰も疑いようがなかった。

そういう経緯で、予定通り合宿が終わって帰ってきたバスケット部員たちには「特別予算」という名のお小遣いが出た。元々の予算内から切り分けられたものなので名目は適切ではないが、引退した3年生も含めて労ってやんなさい、と監督に茶封筒が渡されたのだという。

さてその茶封筒を手に監督は悩んだ。労ってやんなさいって言ったって高校生男子ばかりぞろぞろと共通点はバスケットしかないというのに何をすればいいっちゅうんじゃ。なので監督は正直に部員たちに要望はないかと聞いてみた。すると、普段遅刻ばかりで締まらないキャプテンがすぐに手を上げた。

「越野ん家で飯食いたいっす!」

越野本人はあまり乗り気でなかったようだが、何しろ生徒の保護者の店なので、監督はその提案が気に入ったようだったし、部員たちも美味い飯なら歓迎なので、どうせ個室だろうからまあいいか……と納得した。

また、引退したキャプテンの実家は隣の市でやはり和食料理店をやっているそうで、この夏休みから修行を始めているので、地元の有名店ならぜひ行きたいと喜んでいた。

実は全員白波で食事をさせるとなると茶封筒の中身だけでは少々足りなかったのだが、そこは監督が自腹を切った。彼はこの度の予選敗退は全て自分の責任だとしていて、白波で選手たちを労うことで区切りをつけたかったのかもしれない。

さてその話が越野から白波に入ってきた時、あとで説明を受けたは「先輩がいるなら当日は追い出されるかも」と思った。とにかく越野が白波で接触をすることにいい顔をしなかったし、しかし大人数の団体客となればどうしてもも手を出すことになる。

だが、そこはカッとなりやすい夫と息子を手のひらの上で転がして20年の越野母、は配膳の手伝いをするだけなんだし、1年生の中に多くて数人顔見知りがいる程度だろうから堪えてやって、と越野を取りなしてくれた。席がが普段からウロウロしているレストランフロアなら絶対阻止したろうが、白波で一番大きな座敷だったことも幸いした。これなら配膳さえ終わってしまえばは現れない。

そんなわけで、お盆休みに突入した金曜の夜、陵南高校バスケット部御一行様は全員で白波にやってきた。個室利用客専用の入口は柔らかい明かりが灯り、飛び石をぼんやりと浮かび上がらせている。靴がデカすぎて下駄箱に入らないなどのトラブルがありつつも、部員たちは一番広い座敷へ通された。

既に座卓が並べられており、人数分の座布団もきっちり配置されている。監督以下部員たちは想像以上の規模にドギマギしつつも、同学年で固まって席についた。一応監督が上座で、下座に向かって学年が下る。

そして全員が着席すると、白の料理人服に和帽子を被ったの父が出てくる。座敷の手前で挨拶をし選手たちの健闘を讃え、ぜひ楽しんでいって下さいと結ぶ。そして彼の合図で一斉に配膳が始まる。と越野総出のスタッフは手際よく料理を運んでいく。

その中にも紛れていたのだが、越野母の言うように、彼女にとってせめて「知り合い」と言えるバスケット部員は越野と仙道だけで、しかも今は白波の制服である着物に髪を夜会巻にまとめ、化粧までしている。を知っている部員がいたのだとしても、簡単には気付かれないはずだった。

もちろんもでしゃばることはなく、ベテランのスタッフたちの指示に従い丁寧に料理や飲物を運んでいた。これだけの人数の座敷は滅多に入るものではないから、正直いい経験でもある。

だが、そこは陵南が誇るザ・空気を読まないフリーダムキャプテン仙道である。

「あ! ちゃんだ! こっち来てたの~!」

仙道の周囲に近寄らないようにしていたせいでうっかり彼の対岸に来てしまったはそう言われてウッと詰まった。仙道の隣りにいた越野も片手で目を覆って頭を落とした。普段あまり仲の良くない幼馴染ふたりだが、どちらもお前余計なこと言いやがってという顔をしている。

……すぐに下がりますので」
「え、そうなの」
「仙道、もうやめとけ」

配膳の手を止めずに返した、仙道の腕を抑えて牽制した越野だったが、1年生の方からじわじわと陵南の生徒であることが広がってくる。やがてそれはのいる場所も通過して3年生も飛び越え、監督のところまで行ってしまった。

こっそりため息をついたは立ち上がると上座に進み出て、監督の傍らに膝を揃えて正座する。

「1年D組のと申します。本日はようこそいらっしゃいました」
「ここでアルバイトしてるのかい」
……いえ、先程ご挨拶に上がりました総料理長の娘です」
「え!」

監督とその近くにいた3年生が目を丸くしてを見ている。何しろ彼らがこの白波について得ている情報といえば、「越野の家の店」ということだけだったのだ。この店はその興りからと越野両方の家のものであるのだが、初代から一貫して経営責任者はの人間である。

これについて算盤勘定に長けていた越野のじいさまは、初代が得をしてるわけじゃない、もし店が傾いたときにはが責を負うことになるのだし、越野はそれを受けなくていい代わりに、店に関するどんな権利も求めてはならんのだ、と家の者に言い聞かせていた。

そういうわけで従業員たちにと越野を区別差別する感覚はないけれど、それでもこの白波は登記上のもので、越野は従業員。ヒロの方の越野が外で不愉快な思いをしたのはこういった面倒くさい事情もあったのだ。

「越野の家じゃなかったのか」
「越野の家で間違いありません。白波は創業以来ずっと越野とのふた家族でやっております」
「そうか、あいつはあんまりプライベートなことを話したがらないからな」
……どうぞごゆっくりお寛ぎくださいませ、失礼致します」

話が続かなくなりそうになったは監督にだけ顔を向けて優しく微笑み、手をついて頭を下げると、素早く座敷を出ていった。あまり同じ高校の生徒の前で天使対応はしたくない。ただでさえ越野の目があるというのに、余計なことさせないでくれ!

早々に座敷を出たは、座卓の上への配膳には手を出さず、空になった長手盆などを板場に戻したりして顔を出さないようにし、全ての準備が整う頃にはレストランフロアに戻っていた。あとはバスケット部御一行様が帰ったあとに片付けの仕事が待っているくらいで、ほぼ通常通りだ。

「あの中に彼氏いないの?」
「あの中じゃなくても彼氏いないけど」
「かっこいい子いっぱいいるじゃん、誰か好きな子もいないの」
「いませんねえ」

ついからかいたがる板さんやスタッフたちのニヤニヤ顔には淡々と返しつつ、はフロアのお客様たちに天使対応をしていく。今日もフロアのお客様たちはおいしそうに食事を召し上がられていて、気持ちが和む。

高校に入った途端、自分の両親を除いた従業員全員が「彼氏できた?」と聞いてきた。なぜ高校に入ると彼氏ができるものだと思っているんだろう、と首を傾げたくなるだったが、きっと彼らはそう言いたいだけなんだろうと解釈している。

それをまともに受け取り、「じゃああなたは高校に入った途端に恋人ができたんですか」と返せば、まあかなりの高確率で「No」が返ってくるはずだ。板場には高校に行かず中卒で修行を開始した人も多い。それに目くじらを立てて喚き、白波の和やかな雰囲気を壊すのも嫌だ。

恋をしたくないわけじゃない。だけどひとりで出来るものではないのだから、焦っても仕方ない。「そんな風にのんびりしていたらあっという間に婚期を逃すわよ」とニヤニヤしてくる女性スタッフも多いが、まだ高1なのにそんなこと言われても、である。柳のように揺れて受け流せれば後にも残らない。

金曜の夜なので客足は途切れずフロアは忙しいけれど、はカウンターに声をかけて板場の片隅を通り、従業員が賄いを食べたりする部屋に入る。休憩だ。ちょうど母親がお茶を啜っていた。

「仙道くんはものすごく大きいと思ってたけど、ああいうのがゴロゴロいるのね……
「先代のキャプテンだっていう人、2メートルあるんだって」
「人間てあんなに肥大するものなんだねえ。食費が大変そう……

身近な越野がまだそれほど大きな選手ではないので、それが連れてきた仙道は「すごく大きい」と白波の人々は全員思っていた。のに、さらにそれを上回るのがやって来たので目を剥いていた。

「何時頃引ける予定なんだろう」
「うーんどうかしら、決まった時間はないようだけど、監督以外は未成年だからね」
「遅くても21時くらいかな」

普段のいるフロアは22時閉店、個室とバーはラストオーダー24時30分の閉店25時となっている。フロアの方が落ち着けば片付けを手伝ってもいいなと思っていたが板場の方へ顔を出し、賄いとして用意されているおかずを皿に盛り、例の釜炊きご飯をよそって戻ると母はいなくなっていた。

賄いを食べ始めたはふと、白波のご飯が食べたいと言っていた仙道の声を思い出した。の手の中にある古びた茶碗の中には「白波のご飯」がある。初代の指導のまま大きな釜で毎日炊かれている真っ白なご飯。だけど今日のバスケ部の席って、暖かい白いご飯あったっけ?

監督の自腹プラスの予算だが、白波の方もいつも宏明がお世話になっているので、と予算以上の献立を用意していた。そのせいで今日の席はちょっと豪華だ。もしかしたら、寿司が入っていたかもしれない。コース料理ではないし、鍋でもないし、もしかしたらホカホカの白飯はないかも。

あーあ、せっかく白波に来られたのに、ご飯なしか。そのホカホカの白いご飯を食べながら、はニヤリと笑った。先輩、ツイてないなあ。もしかしたらお土産にご飯下さいって言い出すかも。そうやってがご飯を食べながらくつくつ笑っていたときのことだった。

「あ、いたいた! こんなとこにいたのかー!」

部屋には出入り口がふたつあり、ひとつは廊下、ひとつは板場に繋がっている。その板場に繋がっている出入り口の暖簾をサッとめくり上げて、仙道の顔が飛び込んできた。は思わず食べていたご飯が変なところに入ってしまい、ゲホゲホと咳き込む。

「えっ、ここで食べていいんですか、ほんとに? ありがとうございます」
「なっ……何やってんですか……

水を飲みつつしわがれ声を出したの目の前で、丼に山盛りのホカホカの白いご飯を手にした仙道がニコニコしながら入ってくる。テーブルは大きく、無理をすれば20人くらい座れるのだが、仙道はさも当然という顔をしての隣に腰掛ける。それにしても本当に山盛りのどんぶり飯だ。コメが光っている。

そして仙道を追いかけて彼の釣りの師匠である板さんが何やらおかずを持ってきた。

「座敷のご馳走よりこっちの方がいいなんて、お前ほんとに面白いやつだよなあ」
「そうですか? こんなにおいしいのに」
「まあゆっくり食べて行きな」
「はい、ありがとうございます」

ポカンとしているの目の前で仙道と板さんはホンワカした雰囲気だ。ちらりと覗くと、白いどんぶり飯のおかずは賄いの卵焼きと焼き魚、それに漬け物と、たっぷりの出汁汁。

……何やってるんですか」
「越野が監督に捕まったから出てきてみたら、ナベさんがいたんだよ」

ナベさんは先程の板さんだ。でも越野でもないが、それこそ中卒で白波に入社して以来、生活の殆どを白波で過ごしているような人だ。廊下に忍び出た仙道は顔見知りを求めて彷徨い、運良く一番仲良しのナベさんに行き会ったので、どうしても白波の白いご飯が食べたいと頼み込んだという。

「やっぱりうまいな~向こうの料理も豪華でおいしいけどオレはこっちの方が好きだわ」
「父が泣きます」
「えっ、そう? さっき白波のご飯が世界で一番おいしいって言ったら喜んでたよ」

は箸を置いてがくりと頭を落とした。そりゃそうか、この釜炊きのご飯と出汁は祖父、初代の味だ。そんなの横で仙道は卵と焼き魚でご飯をもりもり食べ、どんぶり飯が半分ほどなくなったところで出汁を一気にかける。地元の野菜を漬けた漬け物でサラサラ行くというわけだ。

それを眺めていてもしょうがない。は箸を取り上げて自分の賄いを食べる。毎日食べているのでそうそう気にすることはないけれど、言われてみれば確かにおいしい。白波以外のご飯を食べた時に、あんまりおいしくないなと思うこともある。もしこれを急に食べられなくなったら、先輩のように恋しく思うんだろうか。

もそもそと賄いを食べていたの隣で、仙道はすっかりご飯を平らげ、勝手にお茶を入れに行く。それもおいしそうに飲む。もういっそ週イチの2時間くらいバイトで雇ってやればいいんじゃないかとは思うが、越野がうんと言うわけがない。またカッとなって怒るに決まっている。

「はいお茶どうぞ」
「え、あ、すみません」
「てかそんだけしか食べないの。ダイエットしてるとか?」
「あんまり満腹になると動きづらいので足りないくらいにしてるんです」

箸を置いて器を重ねたは仙道の淹れてくれたお茶を口にした。意外とちゃんと淹れられている。

……よかったですね、ご飯」
「越野も来なかったし、ちゃんはいたし、監督に白波で食べたいって言ってよかった」
「ヒロはまだ来るなって言うんですか」
「まあ、最近はオレもあんまり言わないようにしてるから」

の方を向いてニコニコしながらお茶を飲んでいた仙道だったが、スッと顔を正面に戻した。はおやと思う。この人、前にもこうして急に目を逸したことあるけど、これって言いにくいことだったりするのかな。何か越野との間でには言いにくいことがあるなら、それは深追い禁物だ。

「ところでちゃん、やっぱり着物いいね! 作務衣もいいけど、着物だとほんとに若女将みたい」
「えっ、そ、そうですか……
「ほら、去年の夏は作務衣に前掛けだったろ。あれも可愛かったけど、やっぱり着物はいいね」

唐突にそんなことを言われたはざわざわと粟立つ肌とともに、全身がカーッと熱くなった。確かに1年前、まだアルバイト扱いではなく「おうちのお手伝い」だった頃、はフロアでは作務衣に前掛け、ゴム底の下駄で働いていた。動きやすくて好きだったけれど、早く和服にも慣れたくて切り替えてしまった。

「てかその頭自分でやってるの? どうなってんのそれ」
「ぐるぐるとねじって、ピンで止めて」
「まじか。すごいねえ。てかさ、ちょっと化粧とか、してる?」
「はあ」
「そっか。なんかびっくりしちゃってさ。初めて見る人かなと思ったらちゃんだったから」

そんなに変わるだろうか。は思わず頬を撫でる。若女将である母の指導の元、当然厚化粧は厳禁なので、和装に合うすっきりとしたメイクを施しているはずだが、いますぐ鏡を見て確かめたくなってしまう。

「去年初めて会った時はまだ中学生だったし、学校で制服の時は年下の女の子って感じだけどさ、監督に挨拶してるときとかも背中がビシッとまっすぐで、なんかもう若女将! って感じに見えてさ。あれほんとにオレの知ってるちゃんかなあと思うくらい、きれいだったから」

背中がビシッとまっすぐなのは着物だからでしょ……と内心ツッコミをかましていたは、さらりと「きれい」と結ばれてぎくりと体を強張らせた。この人なんなの、さっきから可愛いとかきれいとか、そんなこと簡単にペラペラと、確かに前からフワフワした感じだったけど、なんのつもりだろう。

……ほんとに女将修行、してるんだね」
「何してると思ってたんですか」
「まだ遠い先の話かと思ってた」

まあね、とまた心の中で返事をしておく。普通はそう思うよね。板前になるっていうならともかく、女将なんかただの接客業でしょって思ってる人も多いだろうし、そもそもその「女将」というのも責任者の嫁みたいな意味でしか受け取ってもらえないこと、あるし。

だけど私はおじいちゃんたちから「白波をもっと素敵な店にしてくれ」って言われてる。それを頑張りたい。今、この白波の責任者はお父さんで、お父さんは板長だけど、私が女将になったら私が責任者になるの。そしたら板長は私の部下になる。外で遊んでから戻ればいいやなんていう中途半端な気持ちでやってるわけじゃない。

「おかしいですか、今から女将修行、してたら」

言うつもりはなかったのに、気付くとはそう呟いていた。仙道は湯呑みをテーブルの上に置くと、の方を向き、膝に肘を置いて体を屈めてに目線を合わせる。

「おかしいわけないだろ。こんな大きなお店だから、仕事を覚えるのも大変だよな」

その声に、頭を撫でてもらっているかのような錯覚を起こしたは、顔を上げて仙道の方を見てみた。彼はいつものようにのんびりゆったりと微笑んでいて、少しだけ首を傾げている。

「越野は店に入りたくないって言ってるし、ちゃんが女将になったらいつでも来られるね」
「お客で来るんですか」
「客で来たらオレ専用メニュー作ってくれない?」

じっと見つめられているのが居心地悪くて、は顔を戻す。

「毎日こうやってご飯食べられたら幸せなんだけどな」

何をプロポーズみたいなこと言ってるんだろう。バカみたい。

は熱くなるばかりの顔を背けて、手をギュッと握り締めた。やっぱり夏だと言うのに、少し冷たかった。