カサンドラのとなりに

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神童も二十歳過ぎればただの人、とはよく言ったもので、清田頼朝の場合は完全にそれであった。

いや、ただの人どころか、年々神童の化けの皮が剥がれて中身が露出し始め、彼をもてはやしていた人々はそっと言葉もなく目をそらすようになっていった。まあもうテストの点やら部活の成績やらで褒める必要もないし、お小遣いもあげなくていいんだしね。大人なんだしね。

もっとも、神童たるゆえんであった学業面の優秀さは変わらなかったし、元来真面目で努力家なので何をやらせても上達するし、大家族育ちのお陰で人当たりも悪くない。ただ彼が年々「痛い人」になっていったのには、ひとえに「常に上から目線」であったのが原因だろうか。

まあ無理もない。神童時代から何もかも全て「1番」で生きてきた。高校生くらいになると上には上がいることを知るようになるわけだが、それでも自分の目が届く範囲ではやっぱり何でも1番だったし、この頃は親でも理屈で言い負かすようになっていたくらいだ。そりゃあ鼻も伸びる。

しかし彼がそういうマイナス評価を耳にすることはなかったし、それはひとえに「非の打ち所のない跡継ぎ」だったからだ。ちょっとくらい性格に難があったからと言って、難しい国家資格を頑張って取得して家業を継ごうなんて立派じゃないか。ご両親も安心だね!

つまり、父親と母親にとって孝行息子になり得るからだった。

頼朝は幼少期より自己を客観視することは得意な方であり、自分は愛想も良くないし肉体労働向きでもないからデスクワークの方が向く、と小学生の頃には結論づけていた。その上で改めて家業についてを父親に学ぶと、幅広い工務店である実家を継ぐために一級建築士を目指し始めた。

ここを弟夫婦たちは「頼朝七不思議」の筆頭と言うのだが、やたらと意識が高く見栄っ張りで選民意識も強いという悲惨な10代から20代だった割に、彼は「実家を継ぐ」という目標から一瞬でもブレたことはなかった。弟たちは不思議がるが、周囲の大人たちはそれをよく理解していた。

清田さんとこはみんな豪快だから、頼朝ちゃん、自分がしっかりしなきゃって小さい頃から思ってきたんだよ。弟のみこっちゃんはぼーっとしてるし、ノブはほら、暴れん坊だったろ。今は新九郎さんのおっかさんだけだけど昔はもっと人がいたし、自分がこの家を守らなきゃって、そう思ってたんだよ。

まさにこれだった。他人が勝手に評価するほど弟たちはボンクラではなかったのだが、それでも勉強となると頼朝は無敵だったし、弟たちは頼朝にはない愛想や優しさや愛嬌を持っていて、合理的な頼朝にとっては「そういうのは弟たちがやればいい、自分は得意なことをやる」適材適所論だったわけだ。

父親の新九郎は親分肌で面倒見もよく、母親の由香里は豪胆で情に厚い。そしてふたり揃って大の子供好き、犬好き。それはそれでいいのだが、一方で四角な座敷を丸く掃くタイプであり、要するにだいぶ雑な夫婦だった。何でもきっちりやりたいタイプの頼朝はそれが不安で仕方なかった。

お母さん、尊が洗面所の下ひっくり返してるよ、危なくないの。
お母さん、ノブが転んで膝擦りむいてるよ、消毒しなくていいの。
おばあちゃん、これ賞味期限過ぎてるよ、食べたらダメだよ。
お父さん、仕事から帰ってきたらちゃんと手を洗ってよ。

あんたはいちいちうるさいわね! 大丈夫よそのくらい! あとでやるから!

何しろ母由香里は子育てと家業のサポートで毎日120パーセント稼動状態。細やかに気配りをしている余裕はなかった。その辺は父親も祖母も同様。そういう環境で育った長男は割と早い時期に「ダメだ、オレがなんとかしないと」と思い始めていた。

それが転じて、自分がこの家を継いでいかなければ、弟の尊や信長には任せられないし、新九郎の衰えとともに傾かせてしまったら、従業員や下請けや祖母や母を路頭に迷わせることになる、家と家業、どちらも長男である自分が舵取りをして守らねば。そう考えた。

何もかも、彼なりの責任感だったわけだ。

これで中身がよかったらねえ、と遠慮なく言い放つのは幼馴染であるぶーちんである。彼女は尊の小学生からの親友だが、現在は従業員の嫁という立場でもあり、言うなれば血縁のない家族のようなもの。なので、頼朝の小学生時代からをよく知る者として、彼女はよくそう言う。

「まず頭いいでしょ、色んなこと知ってるし、トリビアとか話も面白いし、わからないこととか聞くのは頼朝ちゃんがいいなあって思うもん。教えるのもうまくない? わかりやすいよね。見た目だって悪くないじゃん。清田家だから背高いし、前はすらっとしてたし、顔はちょっと怖めだけど整ってるし。でもそーいうの全部ブチ壊す勢いでイタイよね、結局」

彼女の夫である「だぁ」はそんな頼朝とは対極にある人物で、まあ彼にとって頼朝は上司でもあるので嫁ほどはっきり言うわけじゃないが、それでも渋い顔で言う。

「まあ、頼朝さんほどハイスペックだと、他の人間がみんなバカに見えてくるのはしょうがないよ。オレたちとは生まれつき脳の性能が違うんだよ。努力とかそういう問題じゃないの。でもって、そういう頼朝さんみたいなのが集まってるような学生時代送っちゃったわけじゃん。そりゃおかしくもなるよ」

彼なりに気を遣ったつもりなのだが、結局「おかしい」って言っちゃってる。

とはいえ頼朝は具体的に何かをするわけではない。ただ単に日々の言動やらが痛々しく、自分にも他人にも厳しく、態度は高圧的で温かみがなく、高性能人間の割に内面には欠陥が多いんじゃないのこの人と思われがち。

義理の妹であるは言う。

「確かにお兄ちゃんは合理的で仕事も的確なんだけど、その分融通がきかないっていうか、冗談も通じないし、事務所に来る人と会話するくらいなら全く問題ないんだけど、人としての温かみとか、優しさとか、そういうのが特に伝わりづらいと思う。そういうのない人だと思われてると思う」

それでもまだ国家資格を取得して修行に出ていた20代の頃はよかった。家にいないことも多かったから。だが、修行から戻って新九郎が社長である清田工務店の専務に就いてからは毎日自宅にいる状態。だいたいがざっくばらんな性格の清田家や出入りしている人々はちょっと疲れてきた。

その上30代も半ばを過ぎるとかつてのスタイリッシュさが薄れてきて、モッサリしてきた。それはまあ年相応の範囲なのだが、運悪く弟の尊が30代になってなおその美形に磨きがかかる状態だったので、余計にモッサリして見えていた。

そんな兄に対し、末弟の信長は声を潜める。

「ていうか……あいつ魔法使えるってほんとなんかな……

清田頼朝36歳、独身、彼女なし。いや、もしかしたら、恋人いない歴イコール年齢……かもしれない。

清田工務店は、頼朝の祖父が兄弟と共に始めた事業である。元は別の親方に師事していたそうだが、飲んだくれの親方が二日酔いのまま屋根に登って転落というしょうもない理由でやむなく独立、以来家族で営んでいたが、現在は新九郎が代表取締役となっている。

清田家から新九郎ひとりの体制になったのは頼朝が小学生の頃で、信長が幼稚園に入ったばかり、彼らにとっての祖父が亡くなったのである。初めて触れる人の死だったが頼朝は動揺せず、祖父を欠いた分、自分がもっとしっかりしなければと思ったという。

当時は新九郎の弟と、さらに新九郎の従兄弟も一緒に工務店を営んでいたが、初代が亡くなったことと新九郎一強体制に疑問を感じたのか、それぞれ独立して下請けになっていった。そのため、その頃から清田家には血縁のない人間がドッと増えた。

従業員や下請け関係にある技術者が増えたことで、ただでさえ忙しい由香里ひとりの手には負えなくなり、時を置かずして清田工務店は事務員さんが入ることになった。最初はひとり。由香里の高校時代の友人で、夫が病気がちで生活に困っているという女性が働き始めた。

さらにそれから2年ほどしてから、ご近所さんで姑と同居することになったから外に出たいと言い出した女性がいて、彼女も事務所で働き出した。由香里も完全に手を引いたわけではないし、何しろ大雑把な時代のこと、お茶飲みながら和気藹々と事務仕事で給料は現金手渡し、家に緊急事態あれば即早退可能だったし、ふたりともよく勤めてくれていた。

由香里の同級生の方は頼朝が中学生の頃に夫が安定した職に就けるようになったので少し休みたい、と退職。以後はご近所さんの女性が中心となって事務方を回していた。が、何しろ彼女はよろず機械が苦手で、しかし業務の殆どがパソコンでの作業になっていくし、一般的には退職という年齢が徐々に近付いてきていた。

元よりパソコンでの業務が増えてからはがよく手伝っていたし、それは彼女が結婚して清田家で暮らし始めてからは頻度が増したし、頼朝が専務に就任したことでますますアナログ作業の割合は減っていった。そういうわけで、長く務めてきたご近所さん・ミエさんは、ずっと退職を考えてきた。

そんなミエさんが退職の意向だと由香里に伝えてきたのは、アマナが生まれた翌年のことだった。

「それでもしばらくはそんな頃合いだなんて思ってなくてね、頼朝ちゃんが専務になって、ノブがお嫁さんもらって、みこっちゃんも戻ってきて、何だか昔に戻ったみたい、なんて気がしてたの。だけどあれよあれよという間にカズくんが生まれてアマナちゃんが生まれて、まープロ選手ですって!なんて感心してたと思ったらノブは引退しちゃうし、なんだか……時間の流れについていけなくなっちゃって」

それは清田家が大人数でトピックが多いだけなのだが、ともかくミエさんは気付いたら姑は施設だし、少し余裕を作って自分の人生を生きたい、と退職していった。

「だけど私もも暇じゃないのよ!」

彼女に任せておけば万事OKというレベルのミエさんを欠いた清田工務店では、由香里と頼朝とが深刻な顔で腕組みをしていた。ミエさんの退職は痛手だが、勤続20年以上の彼女を無理に引き止める気はなかったし、かと言っても由香里もミエさんの穴を完全に埋められるほどの余裕はない。

「これまで通り空いた時間に単発のサポートとかなら出来るけど……
「それだって私もも無給でやってるのよ。本来なら絶対ダメなことよ、それは」
「まあな。まだアマナも小さいし、カズサもいるし……
「そこじゃないでしょ。あんたを含め全員の生活の面倒を見てるのよ私たちは!」

新たに事務員を雇うつもりではいたのだが、ミエさんの退職までの間に決まらなかったのだ。

「お兄ちゃんがワガママ言うから……
「ワガママって何だよ……。都合が合わなかったんだからしょうがないだろ」

応募が少なかったのは事実だが、面接までこぎつけた3人とも頼朝の判断で不採用となった。それをや由香里は「選り好み」と言っている。

しかし実際問題選り好みしている余裕はないのである。現在清田家はおばあちゃんを筆頭に、新九郎と由香里、頼朝、尊、信長と、カズサとアマナで大人7人子供ふたり、そして犬4匹である。さらにそれらは基本的にはと由香里のふたりで管理しているのである。

全員分の食事、洗濯、掃除、買い出し。ついでにアマナはまだ歩けもしない頃で、父親に瓜二つのカズサは常に暴れている。もちろんその間男性陣は全員働いているし、中でも新九郎と信長は帰宅すればと由香里を手伝うが、深夜まで帰らないことも多い尊はともかく、頼朝は甥っ子の相手くらいしかしない。朝、廊下続きの事務所に入って仕事をして、終わればまた戻ってきてそれまでだ。

「あんたね、お母さんだったら離婚してるわよ、あんたみたいなの」
「まず母さんみたいなのとは結婚しないよ」
「そういう問題じゃない!」

ただ、一級建築士の看板を掲げた頼朝が入ったことで業務の幅が一気に広がったのも事実で、なおかつ無駄を省き効率を重視する方針を徹底したおかげで、清田工務店はこのご時世にしては大変安定した経営を続けていた。そのため、現在収入のないと由香里は声が小さくなりがちだった。

尊は「ふたりがやってくんなかったら頼朝なんかパンツ一枚洗えないんだから、そんな風に遠慮することないのに」と言うが、そこはついつい、というところだ。なので由香里はミエさんの退職でピンチの事務方に焦っていた。それなのに選り好みしおってからに……

特に面接に来たふたり目、やたらときれいな女性だったが、彼女は志望動機を聞かれて「輸入雑貨店で働いていたが、建築に興味があるので勉強も兼ねて勤めたい」と答えた。それがNG。専務いわく「建築はアロマの資格取るのとは違うだろ」とのこと。由香里は呆れて昼間から酒を飲んでいた。

そういうことが3回繰り返されたので、堪忍袋の緒が切れた由香里はある日、頼朝に無断で事務員を見つけてきた。友達やら知り合いやらに声をかけまくり、しかしそれでは頼朝がゴネるのは目に見えていたので、アルバイトを探した。頼朝が納得できる従業員が見つかるまでのピンチヒッターだ。

予めそういうつもりで話をして回り、1ヶ月ほどでちょうどいい候補が現れた。20代の頃に体調を崩して失職したのち、アルバイト生活が続いているという女性で、年齢は32、尊と同い年だ。清田家最寄り駅を挟んだ向こうに住んでいて、事務職の経験あり、ちょうど最近勤めていた飲食店が撤退したとかで、求職中だった。言うことなし。

由香里から見た関係性で言うとママ友繋がりと言う感じで、信長と同学年だった女の子の、お兄ちゃんの高校時代の同級生にあたる。関係性は遠いが位置的に言うと隣の隣の中学出身、くらいになる。高校も近所の県立出身。親が飲食店を営んでいて、ずっと実家暮らしだという。

「自転車じゃちょっと遠いから、駅からバスで通う感じかしらね。仕事が少ない時は早上がりでもいいって言うし、給料は手渡しでもいいって言うし、この間ちょっと八田さんとこでお会いしてきたんだけど、いい感じのお嬢さんだったから」

八田さんがその信長の同級生だ。彼女が最近里帰り出産したので、お祝いを届けに行ったら呼び出してくれたらしい。由香里はそう言いながらも厳しい顔で腕組みの上、面白くなさそうな頼朝を下から睨み上げている。

「あんたみたいに選り好みしてたらいつまで経ってもミエさんの後任は見つからないし、私やをタダ働きさせるのもいい加減にしてほしいし、良心的なバイトさんに入ってもらうから、あんたは自分で納得行くまで選り好みしてたら? 社長の許可は、得てますからね」

そう、頼朝が事務方を任されているとは言え、一応今も代表取締役は新九郎である。頼朝の肩書は専務取締役、いわゆる「みなし役員」に相当する。かつては由香里もこの「みなし役員」を疑われるような状態であったが、頼朝が専務に就いた時に手を引いた。要は節税である。

そういうわけで、由香里自身に人事の決定権はないわけだが、言ってもそこは家族でやっている有限会社、社長である新九郎が相談を受けて許可を出せばそれでいいことになる。新九郎にとって由香里は公私共に信頼の置けるパートナー。まあまずダメ出しはしない。

「だけど実際仕事で使えるかどうかは……
「さっきに聞いてきたわよ。スキルは大差ないみたいね。事務職の経験もあるそうだし」
「だったらが」
「あんたね、カズサとアマナ抱えてうちを切り盛りしてるあの子を見てよくそんなことが言えるわね」
「そんなのどこでも同じだろ」
「同じなわけないでしょ! だったらあんたは独立して自分の生活は全部自分で面倒見なさい!!!」

それを出されると頼朝も言い返せないのが現状だ。何しろ清田家は広いし、部屋はあるし、母親と義妹がそれをしっかり管理しているので、生活自体はとても快適。そもそもが大家族育ち、家に人が溢れかえっていることに違和感はない。

むしろ修行から戻って実家暮らしを再開したら、仕事以外の煩わしいことから全て開放されたのでストレスがない。熱心な固定の趣味はなく、オフの時は都合に合わせて過ごしているだけだが、家族が鬱陶しいわけではないので、リビングでテレビを見ているだけでも充分だったりする。

それに、今のところ甥っ子のカズサが3歳、姪っ子のアマナが1歳ちょい、幼い子供が常にふたりいる以上は、清田家は滅多なことでは空っぽにならず、犬も4匹いるので全員で長期の旅行などもなく、頼朝がリビングでぼんやりとテレビを見ていても、飽きることはない。必ず誰かしらいるからだ。

実のところ、清田家はそこそこ裕福な状態にあると言っていい。頼朝が入ったことで工務店は業務拡大、実は従業員も増えていたし、そのトップ2が新九郎と頼朝である。さらにが清田家に入ったのを機に尻尾振って帰ってきた尊が高収入で、家族大好きマンである彼は多額の金を家に入れていて、これもプラスになっているし、それと比べてしまうと信長が1番低収入ということになるが、まあまだギリギリ20代だし、薄給ということではない。

これが仇といえばそうなのだが、そのため由香里とは外へ働きに出る必要がなく、特には由香里のサポートを受けながら子育てに熱中しており、ついその延長でリビングでぼんやりしている専務の洗濯やら食事やらもやってしまうわけだ。とにかく大家族、誰かの分を外すより、全員まとめて一気に片付けるのが一番手間がかからないし、汚れない。

一応頼朝の私室は管理外になっているが、それだけだ。共用のものは全て由香里と、そして新九郎と信長のサポートで成り立っている。頼朝の専務就任と、信長と結婚、尊の帰還、これらはほぼ同時に等しく、そこから3年の間に子供がふたり生まれ、現在洗濯機が毎日フル稼働である。

そういう状況の中で、由香里とを無給で働かせるのは間違っている、とは元々尊の言い分で、当然信長、そして新九郎もそれには概ね賛成だったし、この事務方のピンチを機に、由香里は積極的に自分との関わりを減らしたいと考えていた。

を使うならきちんと従業員として雇い、仕事と家庭内の境は曖昧にせず、が働くことで増える家事負担分はお前も手伝え。これが尊と由香里の結論であった。だが当のが嫁の立場でこれに積極的になれず、それをいいことに頼朝がなあなあにしてきてしまったというわけだ。

結局頼朝は折れ、由香里が見つけてきたという女性を採用することになった。

由香里の言うように、もし頼朝が他に条件の良い人材を見つけてきたらそれまで、というあくまでもピンチヒッター、アルバイトである。求人は依然続行、アルバイトの女性が慣れるまでは由香里もも手伝う。家事や育児については全員が協力していこう。

勤続20年以上、苦楽をともにしてきたミエさんを欠いた清田工務店の、新たなスタートであった。

「北見と申します。よろしくお願いします」